ナカの目のつけどころ

一般的に12年周期で訪れるマンションの大規模修繕工事。ベランダ手すりの診断・改修方法や、将来の修繕工事を見据えて新築時からの設置がおすすめな隔て板をご紹介。

大規模修繕工事

マンションで行われる大規模修繕工事

一般的に12年周期で行われることが多い、マンションの大規模修繕工事。内容は大きく建築系・給排水設備系・機械設備系・電気設備系・外構土木系に分けられ、長期修繕計画に基づき調査・診断の結果から必要な工事が決められます。今回は大規模修繕工事の際に役立つ、ベランダ・バルコニーまわりのアイテムをご紹介します。

ベランダ手すりの診断

廊下やバルコニーに使用される墜落防止用のベランダ手すりの経年劣化は避ける事の出来ない現象であり、適切なタイミングで補修する必要があります。ただ修繕費用はなるべく抑えたいもの、まずは手すりの状態を診断することから始めましょう。

ベランダ手すりの診断

「なぜ起こる?ベランダ手すり腐食のしくみ」

手すりが長期に受ける外的要因である風の振動、気温の変化、紫外線劣化等により、手すりは様々な変化を起こします。例えば太陽の直射によって支柱の温度が上昇すると、支柱内の空気が高温になり、そこへ雨が降ると支柱内の空気は急激に冷やされ、負圧となり水を吸い込もうとします。すると支柱は手すり部材接合部や躯体のすき間から雨水を吸い込む現象を起こし、こうして支柱内に溜った雨水は時間の経過にともない、支柱の劣化を速め躯体の損傷も引き起こします。

ベランダ手すりの腐食のしくみ

ベランダ手すりの腐食のしくみ

雨水の浸入等により劣化したベランダ手すりを診断し、大規模修繕工事における支柱補修工法を紹介します。

「SNS工法」

支柱アルミ材の腐食がわずかな場合は、支柱内部へ充填材を注入し腐食の進行を抑制します。SNS工法専用の充填材の使用と、独自の注入技術で補修を行います。

「SNS工法」

部分支柱交換方法

支柱アルミ材の腐食が進行し、白サビや割れなどが発生している場合、アルミ材のみを交換する工法です。本工法は支柱の強度試験を行い、支柱内部の補強材(芯材)が強度を満たしている場合に採用します。腐食したアルミ材撤去後に補強材へ防錆処理を行い、補強材内部にSNS工法により充填材注入をします。笠木等の既存部材は再利用するため、コストパフォーマンスにすぐれています。
(※強度試験は当社オリジナルの試験装置を使用します。)

部分支柱交換方法

オール支柱交換方法

補強材(芯材)に致命的な損傷から強度が不足している場合に支柱を丸ごと交換する工法になります。既存の支柱を補強材ごとすべて取り除き、既存と同じ位置に専用のベース金具と新しい支柱を設置します。
本工法の実施にあたっては支柱強度試験により、強度確認後に支柱交換をおこないます。

全面的に交換したい場合は、改修用のベランダ手すりに取り替えます。ナカ工業のベランダ手すりはスチール製補強材を使わないアルミ製のため、電解腐食による劣化の発生を抑えます。

オール支柱交換方法

開閉できる隔て板

大規模修繕工事では、外壁の周りに組まれた足場を使って、職人がバルコニーからバルコニーへ移動しながら作業していきます。各戸を隔てるパーティションがあるため、移動する度に工具を持って足場を上り、また降りる作業では時間がかかる事と、安全性に配慮する必要があります。

このパーティションが要因となる事に着目し、作業の効率化と安全性を目的として開発したのが「開閉式隔て板 LNパーティション」です。(大和ライフネクストと共同開発)下側の扉を取り外すことができるので、一時的に扉を開けておき、各戸のバルコニー間をスムーズに移動することが可能です。これにより作業効率がアップし、工期の短縮にもつながります。そして工事完了後は扉を戻すことで、通常のパーティションとしての役割を果たします。(※また既存の隔て板でも「LNパーティション」に改造可能です。)

大規模修繕工事の様子

大規模修繕工事の様子

LNパーティション

LNパーティション

一般的な隔て板は、非常時に蹴破って使用することになっていますが、実際はかなり力が必要だったり、人が通れる開口を開けるには時間がかかったり、破れた板で怪我をする可能性もあります。この「LNパーティション」なら、セキュリティフックを外し、ベルトをつかんで扉を押し下げることで扉を外すことができ、スムーズな避難が可能になります。

※セキュリティ上、一度扉を開けると一部の部品が壊れる仕様になっています。修繕工事完了後に部品交換を行い、扉を復旧させる必要があります。

避難はしごは古くないですか?

バルコニーには避難はしごが設置されていることも多くあります。古い避難はしごのケース部分はスチール製もあり、錆びてハッチが開かなくなったり、穴が開いていたりすることがあります。改修用の「タスカールリニューアル」では、ベランダの水勾配を計測し、ジャストフィットしたステンレス製の新しいケースを製作します。避難はしごも同時に交換となります。

古い避難はしご

古い避難はしご

新しい避難はしご

新しい避難はしご

安心して暮らせる住まいのために、適切な修繕工事を行いましょう。
改修工事に関するお問合せはこちら、もしくは最寄の支店・営業所までどうぞ。

改修工事に関するお問い合わせ先

関東
 ナカ・テクノメタル株式会社(東京都台東区)
 https://www.naka-techno.co.jp/
03-5826-0603
関西
 大阪支店リニューアル営業部(大阪府大阪市)
 
06-6886-6661